アメリカで注目を集めている新コミュニケーションツール"Square"に衝撃を受けた話

こんにちは。強迫観念に駆られてAdult Schoolで英語を勉強し始めたはむへいです。

前に中国の学会に行ったときに、FacebookTwitterYoutubeなんかが使えませんでした。
"ここは閉鎖的な国なんだなー。日本に生まれてよかったー。"とか思ったのですが、アメリカに来てみると実は日本にも利用が禁止されているサービスが沢山あることが知りました。情弱ですみません(´・ω・`)
最初はそれが何故かよく分からなかったのですが、アメリカでそうゆうサービスのいくつかに触れている内に「なるほど。これは日本にこうゆう既得権益があるから使えないのか」といったことが段々と理解できるようになってきました。
以前紹介したMintとかもその例ですね。あとはSpotifyとかGoogleVoiceとか。

でも既得権益とか考えずに純粋な目でそういったサービスを見ていて、「きっとこのサービスは世界の人々の生活に一変させるんだろうなぁ」と思うことも多々あり、そういったサービスの存在を知って使って考えることが出来たことも、こちらにきて良かったと思えたことの一つです。


今日はその中でも特に衝撃を受けたサービスの1つである"Square"について紹介したいと思います。


今回の話の構成:

  • 1. スマフォでクレカ決済が出来る"Square"
  • 2. アメリカの{金融+IT}分野の革新性は異常
  • 3. "お金をあげること"は一種のコミュニケーション
  • 4. ハードウェアのビジネスモデル ”全国民にデバイスをタダで配る”

1. スマフォでクレカ決済が出来る"Square"

Squareは、スマートフォンをクレジットカード決済端末にするサービスのことです。
上の写真のように、スマフォのイヤフォンジャックにSquareデバイスを差し込んで、クレジットカードをスワイプして使います。

クレジットカードをどうやって読む原理を簡単に説明すると以下のような感じになります。

まずデジタルの磁気情報をアナログの音声データ変換を行い、Squareのスマフォアプリ内でデジタル情報に変換し直し、そのデータをサーバに送って、サーバ側でクレジットカード情報を復号という方法をとっています。

2. アメリカの{金融+IT}分野の革新性は異常

まあSquareの仕組みなんてはっきり言ってどうでもいいんです。
僕が言いたいことの1つは"このサービスがベンチャーから始まるアメリカすごい!"ということです。

日本でこのサービスを実現しようとしても、個人がクレジットカード処理するのが面倒くさいとか個人間送金が銀行の免許が無いと出来ないとか、実現できない社会的な理由が五万とあります。
Mintが銀行口座をスクレイピングしたのもそうですが、こっちのスタートアップは『マーケットが存在して、民間の合理化に繋がる』のであれば、既得権益も悪習も無視してかなりガツガツ進めます。そしてそれがまかり通ってしまう(あるいは通るようにルール自体が改変される)ことが意外に多い。
これは社会の動きが、一部の権威でなく、主に民意の総体によって決まっているためだと僕は想像しています。
しかし日本はそうではありません。変化が、合理化をもたらしそれまでの既得権益や慣習を無くしてしまうようなら、間違いなく抑圧の方向に動くのが日本です。

3. "お金をあげること"は一種のコミュニケーション

Squareの本質は、ただの便利ツールではなく、コミュニケーションツールです。
Squareが真に狙っているのは、まだ全く掘り起こされてないロングテールな潜在市場。

  • レストランとかで割り勘したい時
  • 日常生活で人にお金を渡したい時
  • ちょっとした賭けや仕事のお礼で、友達と小額のやり取りをする時
  • 誰かに貢ぐ時、などなど^^

アメリカはクレジットカード会社で、みんな現金を殆ど持っていない。
日常生活に置ける個人間送金というのは親密なコミュニケーションの一種で、実際かなりの流通量があると思われます。

4. ハードウェアのビジネスモデル ”全国民にデバイスをタダで配る”

Squareは、送金金額の3%あまりを手数料として取るためユーザ同士の流通量を増やせば収益が上がる、という分かり易いモデルです。
では個人間送金をマーケットとして捉えたとき、このコミュニケーションにどうやって介在するかが課題となります。
持論ですが、コミュニケーションツールが日常的に使われるために重要なのは以下の2点です。

  • あなたが友達とそのサービスを使おうとしたときに、『友達が未登録だった』という理由でハードルが上がらない
  • 人に勧めたくなる(自慢したくなる)要因の設計に、適切なコストを掛けられている


これらに対してSquareはハードウェアを使ったサービスにおける一つの解を見せてくれました。
どんなにコンセプトが良くても、新しいWebサービスに登録してもらうことは難しく、ましてそのサービスを使うために専用のハードウェアを買ってもらうことなど論外です。
Squareでは、申請者にデバイスを無償で配布し、Squareを日常生活で利用してもらうことによって世間での認知度を高めています。非登録者がお金を払う方法は一般のクレジットカードを使う方法と変わりません。写真を貼付できる機能もあるため、レストランなどでの割り勘の際には、食事風景の記念写真をその送金のメタ情報として使うこともあります。
また、僕の経験上、デバイスを持っている人はテンションが上がって必要以上にSquareを使おうとするし、無料で貰えるという情報を人に教えたがる傾向があります(例えばこのblogみたいに)。
こうしてSquareを使った流通は増えて行きます。実際、僕の周りでも1人が使い始めたらかなり速いスピードでそのコミュニティに浸透して行きました。


Squareという技術(スタートアップ)は、社会の一部を変化させ、そして人々の生活を確実に変えさせるでしょう。これこそがイノベーションだと、僕は思います。