Evernoteに遊びに行ってきた編
こんにちは。 Evetnoteがまとめサイトのコピペで埋まりそうなはむへいです。
ソーシャルサービスの競合
突然ですが、Twitterがよりマーケットを広げる際の競合相手は何だと思いますか?
Facebookですか、怪盗ロワイアルですか、いまは懐かしのGoogle Waveですか?
いえいえ、Twitterの真の競合相手は、そんなウェブサービスではなくて、みんなが時間を使ってる日常のあらゆる行為です。
それは例えば、ニンテンドーDSで遊ぶことかもしれないし、読書かも知れないし、学校の友達や恋人と過ごすことかもしれないし、あるいは睡眠かもしれません。
見方によっては、現在はソーシャルサービス(含むソーシャルゲーム)の未来が無条件に高く評価されるお陰で、新たなサービスが次々と現れてはどれもこれもまるでピラニアのように各ユーザの有限の時間(文字通り24時間)を貪り尽くそうとしているようにも見えます。おお怖い。
今回の記事は、そんなソーシャルへのアンチテーゼとして名高いEvernoteに遊びに行ってきたときの話です^^
Evernoteとは?
Evernoteは、スマフォやPCでテキスト/写真/音声/Webなどのメディアを手軽に管理できる、最強のメモ帳サービスです。
Evernoteは元々はOCR(画像からのテキスト読み取り技術)の会社だったらしいです。それ自体が鳴かず飛ばずで、そんな折に心機一転してリリースしたのがEvernoteです。
現在では、100人の社員(エンジニア:それ以外=7:3くらい)で5000万ドルの投資を集めるモンスター企業に成長しました。あと、個人的にEvernoteのUIは結構好きなんですが、専門のデザイナーが数人程度しかいないことに驚きました。
シリコンバレーでUI/UXエンジニアの需要が高まっているとはいえ、その分野のスペシャリストを雇えるのはお金に余裕のある大企業だけだそうです(例えばTwitter社は作っているサイトのページ数がとても少ないのに対してとても沢山のデザイナーを抱えていることで有名)。
そんなEvernoteはアンチソーシャルのサービスとしても有名です。あくまで主眼は『個人の便利メモツール』なので、一時のソーシャルバブルに踊らされたりすることもなく地に足をつけて運営をしています。
『無料プランがフルパッケージ』
Evernoteは月額課金がとてもうまくいっているサービスとしても有名です。
今回の訪問ではその秘訣を聞いてきました!
Evernoteは「課金によって機能(ユーザが出来ること)を変えない」という方針を持っており、「満足して使っている内に自然とお金を払ってしまう」ことを目指しています。
Evernoteは記憶の一元化のためのプラットフォームであり、無料プランがフルパッケージです。そして、その機能に満足した人だけが長く使い続けることによって課金の必要性が生じるように設計されています。
Evernoteはお金を払っても利便性はそれほど変わらないのですが、無料で使っているとどんどん大量のデータをEvernoteに溜めていくことになり、ユーザはある種のロックインを受けることになります。ここでサービスン不満があれば使うのを止めるのですが、Evernoteの場合はここでユーザが有料プランに切り替える割合が非常に高いです。
これを聞いた時、僕は真っ先にソーシャルゲームの課金モデルを思い浮かべました。ソーシャルゲームでは「お金を払わないと出来ないこと」を絶対に作らないのです。
これまで僕がWebサービスを考えるときは「どの機能を課金対象にしよう...」ということばかりに囚われていて、時間軸を意識した多次元的な課金モデルという視点があまり持てていなかったことに気がつきました。これに気付けただけでもEvernoteに来た価値がありました。
おまけ: 日本マーケットについて
日本市場は世界でも特殊とよく言われます。一言で言ってしまうと、日本のマーケットには「お金を払うアーリーアダプターが多い」そうです。
Evernoteもリリース当時は日本を一切意識してなかったそうですが、日本からのアクセスと課金の多さに驚いて、急遽「日本対応」のタスクの優先度を上げたというエピソードがあります。
いまでは、SonyのVaioへのEvernoteがプリインストール、エバーノート日本法人の設立、Docomoユーザ限定のEvernoteプランなど、Evernoteの親日性は自他ともに認めるところとなりました。
また、Evernoteの更なる日本進出のために、日本人向けにアメリカでの現地採用の話を教えてもらったので、そちらも宣伝しておきます。
http://evernote.theresumator.com/apply/o6gofa/Developer-Advocate-Japan.html
この役職は"Developer Advocate"と言って、所謂少し前に流行った『エバンジェリスト』という役柄に近いものです。
働く場所はシリコンバレーのEvernoteですが、仕事内容としてはユーザや企業に対してEvernoteを技術的背景も交えつつ広めることだそうです。
Twitterの日本人エンジニア募集の件といい、シリコンバレーのスタートアップでも技術の分かる日本人を採用したいという流れが徐々に増えつつあり、本当に日本人エンジニア冥利に尽きますね。
興味のある人は是非チャレンジを^^