8月4日 貸家

昨日に続いてまたしても不思議なことが起きた。
数時間ほど前、学校のテストが無事に終わり、家に帰って『レ・ミゼラブル』を読んでいると、またしても先日の少年が何処からとも無くふっと現れた。今度は野球のミットとボールらしきものを持っている。だが、今日はただ黙って立っているだけではなく、声を出さずに何か言っている。…口の動きから察するに「トモダチ・ニ・ナッテ」と言っている様である。
某は「友達にならばなってやらんことも無い。けれども野球は苦手だからやりたくない」と言うと、ぱっと嬉しそうな顔をして何処かに去って行った。
一体あの少年は誰であろう?ただただ首を捻るばかりである。